

2021年3月で、東日本大震災から10年が経ちます。被災地の復興はいま、どのようになっているのでしょうか? 原発事故による被害を受けた福島県では、いまだに帰ることができず、復興のめどが立たない地域もあります。人口減少社会に入った日本が将来、直面すると思われる課題が、現実のものとして目の前に現れているのです。被災地は未来の日本の“映し鏡”でもあるのです。
そんな中、被災地では、これまで日本の農業にはみられなかった農業が始まりつつあります。宮城県の沿岸部では、規模拡大や世代交代が急速に進み、最新設備を備えた巨大ないちご団地が現れたり、米の6次産業化による複合経営に乗り出す法人も現れたりしています。福島県では、スマート技術を導入する酪農家、稲作をやめ、タマネギ作りをはじめる農家、ヤギ牧場など様々な“未来への芽”が出ています。被災地のいまに向き合うことは、日本の将来と向き合うことにつながっているのです。
震災発生時の総務大臣だった片山善博氏や地域で農業復興に尽力している方々を招き、日本の将来を見据えた、被災地からみえてきた農業、地域の可能性を話し合います。