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コンサート収録現場の様子2020年4月28日

こんにちは。
初めて書いたスタッフ通信を見返すと(2017年3月3日記事)、初々しいことを書いていました。小っ恥ずかしい、、。

さて、最近は新型コロナウイルスが様々なところで影響していますね。
この業界関連で言うと、ロケや取材の延期もしくは中止、会議はビデオ会議にしたり換気の良い場所でおこなったり。
弊社も4月からリモートワーク体制に移行しました。出来る限りの外出は控え、自宅で過ごしています。

さてさて、ひとつ前のブログ(2020年3月5日前田さんの記事)を見ると、
【コンサートのLED映像演出】が紹介されていますね。
私はあの現場で、コンサート最終日の収録のディレクターをしていました。
前田さんの「画出し」はコンサートのバックモニターに映るカメラへの指示出し、
私の「収録」は当日の同時ライブ配信と販売DVDのために収録するカメラへの指示出しです。

「画出し」と「収録」の違い、分かるでしょうか?
画出しの映像はその日限りで、収録の映像は作品として残ります。
下記のカメラ配置図のように、画出し用と、収録用のカメラは分けて、配置しているんです。
その数、計13台!(収録10台、画出し4台 ※うち1台兼用)

hama1カメラ配置図
ちなみに出演者は30名越え、
スタッフは制作チーム(カメラマンやスイッチャー、ディレクターなど映像関係者)だけでも
30名越えの大イベントでした。
他には舞台側のスタッフ(演出、監督、舞台音響や舞台照明など)が大勢携わっています。

「収録」は、収録日までに1週間くらいかけてカット割りというものをします。
ゲネプロという、関係者に向けた本番真柄のコンサートを見学し、定点カメラで撮影、
その映像を元に、台本にこのカメラはこのタイミングでステージ上のこの人をこのサイズでおさえる、という感じで
書き加えていきます。
(下記の写真はカット割り台本の一部分です)

hama
10台ものカメラで撮影した素材を、1本にした時にどんな映像になると良いか、想像しながら、
1週間後の収録日に向けてカット割りを台本に書き込んでいきます。
とは言え、本番前にカメラマンにカット割り台本を共有しなければならないので、
実質4日間ほどしかありませんでした。
しかも収録日は1回公演(1日に昼夜の2回の公演ではなく夜公演の1回のみ)で、
カメラマンも私も、他スタッフたちも収録はぶっつけ本番というものでした。これ、かなりのプレッシャーです。

本番前にはカメラマンやスイッチャー(カメラの切り替えを担当する人)と打合せをします。
ベテランカメラマンさんたちを前に説明するのは内心とても緊張していましたが、
不安にさせてしまわないように、平常心を装いながら打合せを進めました。
初めましてのカメラマンさんは大勢の出演者の名前と顔を覚えるところから始めます。
語呂合わせで必死に記憶しようとブツブツ言っている姿が面白かったりします。

私、このような公演の収録は2回目ではありましたが、練習なしのぶっつけ本番は初めてだったので、
本番前に極度の緊張がやってきました。
プレッシャーに押しつぶされそうになってきたので、本番前のやる気と活気に溢れた空気を感じて
なんとか気持ちを高めようと、出演者やスタッフ控室の前を歩きに行きました。
すれ違った舞台監督さんから掛けられた言葉「(言いたいこと)なんかある?」に、
私は「いや、何もないです(苦笑い)」としか返せませんでした。
全く気持ちが高まることはなく、外の空気を吸いに会場から出たところで一人泣きました。少し。

やるっきゃない!と会場に戻り、
インカム(前田さんが頭につけているヘッドホンのようなものです。写真掲載しています。)を付けて
カメラマンたちに「さっきひと泣きしてきました!吹っ切れました!頑張りましょう!」と言ったのですが、
誰一人反応してくれませんでした。
マイクの音量が小さくて聞こえなかったようです。隣の上司が笑ってくれました。

3時間にも及んだ本番は、一言で言うと「ハチャメチャ」でした。
カット割り通りに指示出しなんてできませんでした。
それでもカメラマンもスイッチャーも全力で頑張ってくれました。
後ろから見ていた上司は、「ノッてたよ。」と私に一言。
曲に合わせてビートを刻んでいたようです。(残念ながら写真はありません)
本番後は抜け殻のようになっていましたが、ライブ配信の視聴者からの感想も良く、
大過なく、無事に終えることができました。

こうして振り返るとプレッシャーに弱い私にしては、頑張った日々でした。
大人でも緊張はします。その中でできる限りの力は発揮して、
あきらめずに努力することが大切なのかなと、私は思っています。
それを繰り返してどんどんレベルアップしていくのではないでしょうか。

さて、撮影が終われば、あとは編集です。
13台ものカメラ(画出しカメラ素材も一部使用します)で撮影した素材の編集はとっても大変!
この作品のファンの方たちに納得していただけるように頑張ります。
(これだけ気合の入れた案件ですから、私も既にこの作品のファンです)
【はま】千代田ラフトに入社して2020年4月で5年目に突入します。恐ろしい。 早く気軽に旅行いけるようになったらいいなあ…