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「ADって何してるんですか?」に、ちょこっと答えます!2014年2月21日

就活中の学生の皆さん、番組制作を目指している皆さんに向けて、
新卒入社2年目の私が、アシスタントディレクター(以下AD)は何をしているのか紹介したいと思います。
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現在は、主にNHK Eテレの番組「すイエんサー」のADを担当。2年目ですが、まだまだ未熟です……。
ADは何をするのか?
 「お弁当運ぶんでしょう」「カンペめくるんでしょう」とよく言われます。
カンペやお弁当も撮影では必要ですが、ADが働くのは撮影現場だけではありません。
(1)撮影までの準備 (2)撮影(3)編集 と全般にわたって関わります。

あくまでも一部ですが、担当している「すイエんサー」だと、
準備・・・リサーチ(撮影に関わる人・場所、台本の資料やデータ、紹介するスゴワザの実験)、
リサーチから人や物の手配、撮影スケジュールの作成 など
撮影・・・小道具の用意・出す、出演者と一緒にリハーサルをする など
編集・・・解説の図の下書きをかく、番組で使う写真やイラスト素材を探す など  が主な業務です。

特に私が重要な業務だと考えているのが、リサーチです。
リサーチによって台本の内容や撮影の対象が変わるため、番組や映像の仕上がりを大きく支える業務です。
撮影中、編集中も「もっと景色のいい場所はないか」「わかりやすい解説はないか」とリサーチをします。
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<リサーチで使うもの>
電話、スマートフォンとパソコンはもちろん、国会図書館などを活用しています。
スマートフォンは撮影場所の下見でカメラとして使ったり、地図として使ったり、私にとっては必需品です。
東急ハンズは、小道具を探しながら、思いがけないヒラメキがあることも……!!

リサーチとは
「すイエんサー」なら、「この先生が○○に詳しいです」「この場所なら見晴らしがいいからよく撮れます」など提案します。
ディレクターが必要とすれば、先生との打ち合わせをセッティングしたり、撮影場所に許可をとったりします。

昨年ADを務めた観光地の紹介の映像では、初めて知ったスポーツや工芸品なども多くリサーチが甘かったため、
作ったスケジュールを見て「○○も有名でしょ?撮影のスケジュールに加えて」と言われてしまうこともしばしばありました。
ディレクターに言われてから気がつくようでは……と、リサーチャーとして情けない思いでした。

一流を見て本質を知る
そのディレクターは、フィッシングから抹茶の作法まで幅広く知っていて「これも撮るべきでしょう」という言葉に、単純に知っているだけではないと感じました。
「スポーツや日本文化などに幅広く『素晴らしさ』を知っている」と感じました。

「なぜそんなにわかるのですか?」と尋ねたところ、「一流を見る。美術でも、映画でも、あらゆるモノで一流を見れば何を撮影するべきかわかる」と言われました。
『素晴らしい』もので目を養い、『本質』を見抜けるようになることがディレクターには欠かせないのだと気づきました。以来、実際に「一流を目で見よう」と心がけています。
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<浜離宮恩賜公園>正月は江戸時代 将軍家の一流の庭園を眺めながら抹茶を飲みました。
お茶室のお花は「茶室のこだわり」が表れる場所。「こだわりはどこだろう?」と考えてみたり…。

他にもジャンルを広げるべく、通勤中にトレンドを紹介するポッドキャストを聞いたり、
新聞ダイジェストを読んだりしています。
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<新聞ダイジェスト>
新聞ダイジェストは、社説の読み比べのコーナーを愛読。
経済・政治など取っ付きにくいジャンルの内容もわかりやすく解説がされていて面白いです。

ものづくりの志
リサーチをするとき「もっといいものにしたい」という気持ちが重要だと思っています。
「自分がディレクターだったらこんな番組・映像にしたい」と考えられないと、
そもそもディレクターに提案できません。
千代田ラフトは、ドキュメンタリーから、スポーツの中継、教材のビデオなど
様々なジャンルの映像を制作しています。
様々にアンテナをはって本質を見抜けるAD、ディレクターになりたいと思っております。
伊藤 友希
すイエんサーのADです。 この冬は、着物を着て浅草散策したり、正月に浜離宮で抹茶を飲んだり和文化に挑戦しました。