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ヨーロッパの小さな農村 ブレム
ヨーロッパの農村、というとどのような風景を思い浮かべますか?
美しい小麦畑が続く丘陵地帯?伝統的な家並みや小川が流れている風景?
確かにヨーロッパの田舎では、私達が期待するような風景にたくさん出会うことができます。

ここは、食料フォーラム「どうなる日本の食卓 〜WTO・農業交渉のゆくえ」の撮影で訪れたブレムという人口900人ほどのドイツ南部の小さな村です。村はモーゼル川と斜面に挟まれた土地にあり、斜面は最高で65度にもなります。そんな急傾斜地で村唯一の農業、ワイン用のブドウ栽培が行われているのです。

私達スタッフは、ブドウ畑を斜面の頂上から撮影するために機材と一緒に斜面を上がりました。細い農道を歩いて登ると大変な遠回りになるので、農家が作業用に使っているリフトに乗せてもらうことにしたのですが・・・

このリフト、簡単な安全ベルトだけ。農家の人には、「落ちても自分の責任だよ!」なんて言われつつ(日本のように機械メーカーが悪い、乗せた人間が悪いということにはならないらしい)、 私とカメラマンは必死にリフトにしがみつき、久しぶりに怖い思いをしたのでした。


ブレム村のワインは、都会でも大変な人気だとか。確かにおいしい!
昔は、急斜面での労働に嫌気がさして農家をやめる人が後を絶たなかったそうですが、ワインのブランド化に成功し、この村では若者の後継者が増えているようです。

農業は、ワイン用のブドウ栽培のみ行われています。
このような小さな村でもEUなどから補助金が出て美しい家並みや農地を維持することができています。
村の人と話をして感じたのは、厳しい環境ではあるけれども故郷に誇りを持っていることです。

日本はどうでしょうか?
いわゆる中山間地域にある農村の多くは、過疎に喘いでいます。
そして廃れゆく農村も数多くあります。

国際競争力をつけるため大規模農家優遇の方向に向かう日本、小規模農家を保護して地域を 維持しようとするヨーロッパ。メンタリティーの違いに愕然とした取材でした。

もしご興味をお持ちになりましたら、この村を訪れてみてはいかがですか?
ガイドブックには載っていませんが。




※この番組は2006年7月1日(土)23:30〜24:40、NHK教育テレビ「土曜フォーラム」で放送されました。

川の流れる音と鳥のさえずりしか聞こえない静かな村です


農家の方はこの機械で斜面を上り下りしながら作業をするそうです



ワインはおいしかったが、とにかく寒かった



最近は観光にも力を入れているそうです


 
 プロフィール
 野澤優一
 1973年生まれ、神奈川県出身    好きなこと:公園でのんびり読書
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