ある統計によると、東京を訪れる外国人観光客は年間でおよそ280万人。パリの1000万人と比べると大きな開きがある。地理的な条件のハンデはあるにしても、東京ってそんなに魅力のない都市なんだろうか?
とってつけたような前置きでした…。制作という仕事を始めて早9年目、「カメラが入れる場所であればどこにでも行く」という業界の鉄則(?)にのっとって、これまでに様々な国や地域を訪れました。
赤道間近のマングローブ林から、雪と氷に閉ざされた極北の地まで(辺境が多かったりする)、おそらく観光では立ち寄れなかったであろう世界を覗き見ながら、そのひとつひとつの光景や人々との出会いに心躍らせてきたように思います。
で、冒頭の話…。東京という街にしても、日本という国にしても、諸外国にひけをとらない魅力的な中身を持っているはずで、観光客の伸び悩みはひとえに日本人のアピール不足に起因するのだろうと思います。最もこれ、今に始まった話ではありませんが、僕たちが携わっている放送の世界も同じような状況にあると言えます。
欧米のネットワークや映像メディアの大手が派手なプロモーションを展開している陰で、日本はどうも縮こまっている、元気が無い…。放送人のはしくれとしては忸怩たる思いがしないでもありません。最近勢いを取り戻しつつある邦画、子どもに人気のアニメなどの他にも、魅力ある日本独特の映像コンテンツは数々あるわけで、もっと積極的に世界に向けて発信してもよいのに、とも思います。
今、中東の放送局から配信されるもので、現地の子ども向けに「日本の技術力」を紹介する番組を企画中です。昨年度は外国人向けに日本のお作法(お辞儀の仕方とか箸使いなど)、その背後にある日本の精神文化を紹介する、というちょっと堅いテーマの作品なんてのも手掛けました。「本音と建前」「謙遜」「根回し」などという、予備知識の無い外国人には理解しがたい考えや慣習を説明する難しさもあったのですが、自分自身「日本の心」を改めて知る良い機会にもなりました。得体の知れないイメージのある日本人ですが、それとは違う等身大の日本人像みたいなものをこの作品から感じ取ってもらえればと思っています。
放送・映像を通して日本を知ってもらう…。番組作りを通して自分の考えをアピールするディレクター業にも通じる部分がありますが、今後そうした機会が増えていくかもしれません。トヨタや松下だけではない“Made in Japan”を世界の茶の間に…。そんなことを考えながら、今後も精進していきたいと思います。
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