純粋な文系が作る純粋な科学番組

2008年9月10日
私は、一年前からNHKの「サイエンスZERO」という番組の制作をしています。
サイエンスZEROというのは、科学の最先端をわかりやすく伝える番組です。
そんな番組を作っている私は、といえば、

大学の専攻はドイツ文学…

はい、バリバリの文系でございます。
受験でも生物しか勉強していません。

そんな私が、最先端の科学を伝える番組を作っている…ちょっと不思議な気がします。
制作にはやはり素養がないので苦労します。
どうしているのか、今私が制作している番組を例に見ていきましょう。

 
 今回の番組のテーマは「計量標準」。
聞き慣れない言葉ですが、実は、私たちの生活になくてはならないものなんです。
例えば、ものを計るものさし。世界中どこに行っても1cmは1cmですよね。
もし、この長さが国によって違っていたら、他の国で作ったねじを使って製品を組み立てようとしても日本で作った部品と合わない、ということが出てきます。
その基準の単位を決めているのが、フランスのパリにある国際度量衡局です。
現在、ここが決めている基準の長さ、1mは、

「1秒の299 792 458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さ」

となっています…。なんのことだかさっぱりわかりませんね。
その昔は、メートル原器というモノがあり、そのモノの長さが1mと定められていました。
でも所詮は、モノ。どんなに厳重に保存していても、熱や錆などで長さが変わってしまう訳です。そのため、普遍的な値を決めるという研究が行われた結果、上記の長さに決まりました。

ちなみに、この知識を得るために、私は小難しい本を何冊も読みました。
全く物理の素養がないもので、一番大変なのが、この「勉強」です。

そして、「計量標準」について勉強した後、今回のテーマはその中の「温度」と決めました。
なぜ、温度なのか。それは、最近、日本でこの温度に関する大きな発見があったからです。

 温度にもいくつかの基準になる点が決まっていて、その点と点の間を計算によって割り振ったものが、温度計の目盛りなんです。
でも、今決まっている一番高い温度の基準になる点は、銅の凝固点の1084.62℃。ということは、これ以上の温度は理論値で曖昧に決まっているのです。そして、その値は国や温度計の会社によってズレがあるそうです。そこで、正確に高温を計るために、80年以上、高温の定点を探す研究が行われています。
そして、最近、日本の研究者がそれを成し遂げたのです。
今まで80年間、世界中の研究者が見つけられなかったものを、発想の転換で見つけ出しました。この研究者のドラマを、今回の番組では描くつもりです。

この仕事の醍醐味は、第一線の研究者に取材をして、生の声を聞くことができることだと思います。
普通の文系出身者が絶対会うことのない、科学の最先端の研究者への取材。
それをどのようにまとめ、面白くわかりやすい番組にするか、このあたりのスキルは、文系のほうが得意なのかな、と思います。
そのためには、基礎を知るという勉強が不可欠です。
でも今、私は学生のとき以上に勉強が大好きです。

計るものには基準がある

計るものには基準がある

 
さて、勉強と仕事だけでは息がつまっちゃいます。そこで、私は、プライベートも力一杯楽しむことにしています。

今、私がはまっているのは、音楽活動。
休みの日には、仲間と集まって練習しています。
昭和歌謡やJAZZを歌って、ストレス発散!
たまには、ライブに出演したりしています。

 
新宿のライブでの一場面

新宿のライブでの一場面

そして、夜は楽しく美味しい料理で美味しいお酒を飲む♪
これさえあれば、どんなに過酷な仕事も乗りこなせます。

サイエンスZERO
「知られざる計量標準 ~高温定点 誕生~」
9月28日日曜日0:00~0:44 NHK教育テレビ
10月4日金曜日19:00~19:44(再) NHK教育テレビ

会社近くの行きつけの立ち飲み屋にて。生もの大好き♪

会社近くの行きつけの立ち飲み屋にて。生もの大好き♪

プロフィール
高山晶子
趣味は音楽以外にも、釣り、ダイビング、サッカー観戦などなど…
一年が400日はあると言われるサメ女(止まったら死ぬから?)

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